花束220

ネトゲ回顧録

015-僕とLineage2_10:あきら王子

通勤時に乗車口が被るサラリーマン、退社時のエレベーターで遭遇するOL、ランチの店でたまに見かける二人組み。

 

目線は合わず言葉を交わしたこともなく、数日に一度同じ時間を共有するだけの間柄だけど、顔だけはしっかりと把握している。そんな人が誰にでも少なからず居ると思う。

 

当然ながらそれはMMOでも起こりうるわけで、リネ2ならモンレ、UOならブリ銀、DOLならリスボンの銀行前など、同業者でもライバルでも場所取りが被るだけの間柄でも、そんな人が誰にでも少なからず、居ると、思う。

 

そしてそんな人たちは総じて、ここ数日見かけていないと気が付いた時には、もう二度と目にすることはないのだ。意識してから再度出会えるのは、ちょっとした奇跡かもしれない。

 

ボカロとして今ではそこそこのネームバリューを誇る初音ミクが発売され、現首相の安部晋三氏が体調不良で突如辞任したねじれ国会真っ只中の2007年秋、彼と初めての邂逅を果たした僕は、リネ2を引退するまでの数年間に渡り、彼の姿を目で追うようになる。

 

彼の名は " あきら王子 "

 

これは僕から彼への(父性的な意味で)一方的な愛の記録だ。

f:id:TomCruise:20150907053207p:plain

※無断掲載(毎度)

 1.2007年9月24日:初遭遇

リザプレでのソロ中に見かけた彼はどこか動きもたどたどしく、キャラ名のインパクトも相まってついつい目で追ってしまう存在でした。

とは言え、この時点では「同じ狩場に居るから」気になったに過ぎず、2年と298日、24,675時間もの期間を意識し続けるとは予想だにしなかったのであります。

 

 

f:id:TomCruise:20150907053858p:plain

2.2007年10月6日:初遭遇から12日経過

ディオン倉庫にて二度目の遭遇を果たす。前回からさほど間を空けずに再会したこともあり、この時の出会いが彼の印象を決定付けたのだと思われます。

王子なのに勧誘を受けるのか、王子にしては装備が貧相ではないのか、そもそも未所属でフリーランスの王子ってどうだろう、とか、色々と妄想しつつ後ろ姿を眺めていました。

 

 

f:id:TomCruise:20150907053912p:plain

3. 2007年11月9日:初遭遇から46日経過

1ヶ月の時を経て、ギラン倉庫で三度目の遭遇を果たす。エリカサーバはギラン広場での露天文化が定着していたので、当時のギラン倉庫はいつも人ごみで溢れていました。それを良いことにさりげなく横に並び、間近でご尊顔と装備を拝謁したのであります。

 

ミスリル重にカイトシールド、レザーガントレットにロウブーツらしきN靴と、武器はミスリルダガー。

ホプロンではなくカイトシールドなのが気になるところですが、そこは高貴な生まれの王子ですから、ロイヤルブルーのカイト盾をチョイスされたのではないでしょうか。

 本体も防御力と引き換えにエレガンスさは皆無のブリガンではなく、胸当ての細工が美しいミスリルを選ばれる辺り、さすがと言わざるを得ません。後ろに居る下品なタイトルのご老公とは、生まれもった品格そのものが違う。さすがです王子。

 

 

f:id:TomCruise:20150907053925p:plain

4.2008年2月4日:初遭遇から133日経過

QAに関しては8名のみのPTL募集の時点で、カウントからの手上げ先着8名だろうが、PTマッチでの飛び込み募集だろうが、常時8割近い入選率を確保していた僕ですが、この日はPTLにもその後のATK枠募集にも入り損ねてしまい、死の回廊でブサイク(グランディス)に怒りをぶつけていました。

 

この当時、死の回廊は転クエぐらいしか狩りをする人はおらず、弓も使って広範囲でやりたい放題だったのですが、ふと、画面の奥を見ると僕の他にもソロをしている人が……って、あぁぁ!

 

f:id:TomCruise:20150907053939p:plain

王子!王子じゃないですか!おひさです王子!

この距離でも分かる。僕だから分かる。僕だけが分かる。装備を新調してより一段と高貴なオーラを纏ったあなたのことが。

 

 

f:id:TomCruise:20150907054008p:plain

 前回から実に3ヶ月振りの邂逅です。

倍MOBのクリムゾンバインドと果敢に戦う姿を見て、「王子vs変態」とか考えるも、木陰から延々と見守る自分のがよっぽど変態チックという事実。

あぁ、今すぐプロフで飛んできてフルバフして差し上げたい…。そしてもっかいプレインで飛んできてバックスタブぶち込みたい(歪んだ愛)

 

f:id:TomCruise:20150907054026p:plain

そんなことを考えているうちに、変態とのお戯れに飽きたのか崖上で休息なさる王子。品格を鼻にかけることなく、何の躊躇いもなく私たち庶民同様に地べたへ腰を下ろすその御姿に、より一層あなたへの忠誠を誓うのでした。

 

 

f:id:TomCruise:20150907054118p:plain

5.2008年2月19日:初遭遇から148日経過

前回から2週間足らずでオーレン倉庫脇にて再会。嬉しさのあまりガン見しているのがバレバレである。

コンポジ、フルプレブーツ、バサブレへと装備を新調された王子は、単に装備変えただけの存在に留まらず、数多の実戦を経た者でなければ得られぬオーラまで纏っておいででした。両手剣姿も素敵ですよ王子。

 

※この邂逅の数ヶ月後、ただでさえ散発的だった僕のログイン率は社内資格対策やら出張の頻発やらで更に低下し、2009年の夏を最後に課金も止めることとなる。

 

そして時は流れ2010年7月。ねじれ国会は相変わらずだが与野党の政党は入れ替わり、地デジ終了まで後1年のテロップが流れまくる中、1年振りに課金した僕はソロでウルフ育成の日々を過ごしていた。 

 

僅かながら残っていた数人のフレ達は、レベリングには飽きたのか戦争クランに入ってリネ2自体を続けてはいたが、それはそれで様々なしがらみで苦労しているようだった。そんな状況でも時折チャットを送ってくれるのがうれしく、ウルフ育成とフレとの会話だけで十分にリネを楽しめてはいたのだが……  

f:id:TomCruise:20150907054133p:plain

二人とも現在のクランに馴染めず、狩りクランと戦争クランの違いこそあれど似たような悩みを語りあっていたその時、アデン大聖堂から眩いオーラを放つHUM男の姿が……

 

 

f:id:TomCruise:20150907054147p:plain

 えっ

 

 

f:id:TomCruise:20150907054227p:plain

6.2010年7月19日:初遭遇から2年と298日経過

 王子!王子じゃないですか!Aグレ…?おめでとうございます王子!

 

オーレンで遭遇した前回から2年と150日もの時が過ぎるも、王子はいまだフリーランスでゆっくりとしかし着実に、その御身を鍛え上げていたのである。

 

白銀に輝くマジェ重は王子のためにあつらえたかの如く光を放ち、右手のサムロンと左手のシル盾は……ってサムロンとシル盾?防具はAグレまで来たのに武器がCグレなのは何故(たぶん純粋にアデナが無い)

 

ぶっちゃけ装備なんてどうでもよく、2年半もの時を経て恵まれた5回目の遭遇に、僕は驚きを隠せなかった。ここ数日見かてけいないことに気付いた人を、再度目にするのは、それだけでちょっとした奇跡なのだから。

 

※あとがき:

この数ヶ月後、毎年恒例の半期末繁忙に突入した僕は、あっけなくリネ2を引退した。なお、この時チャットをしていたフレは後3ヶ月で仕事を辞め、数ヶ月に渡る世界一周の旅に出ると言っていたが、彼女のブログが消えている今となっては無事に帰国したのかを確かめる術は無い。

 

2007年の9月24日から2010年の7月19日、2年と298日、24,675時間に及ぶ僕とあきら王子の記録はこれで終わりです。面白い締めやクラ鯖で再会、なんてミラクルなオチがあるわけでもなく、冒頭でも述べた通り、これは僕から彼への(父性的な意味で)一方的な愛の記録に過ぎません。

 

ところどころネタっぽい文章に走ってしまったけれど、LVに対してかなり貧相な装備で、お座り休憩を繰り返しながらも自分のペースでまったりとリネ2を続けている彼が、僕にはとても輝いて見えました。 

 

今でもエリカでまったりプレイを続けているのか、既に引退しているのかは分からないけれど、彼がリネ2を引退する時は貧乏による諦めではなく、すべてをやり尽くした充足感による引退であることを切に願う。

 

以上、「僕とあきら王子」でした。

以下、次回予告。 

f:id:TomCruise:20150907221152p:plain

ワイバーン乗りが逝きつくクルマの塔の頂で、君は時の涙を見る(ゼーター)

f:id:TomCruise:20150813052758p:plain